ディレクトリについて
こんにちは。今日はディレクトリについて解説します。
前回、コマンドラインシェルの使い方について解説をすると書きましたが、ディレクトリという考え方を知らないと理解が難しい部分があるので、先にこちらを説明します。
ディレクトリとは
まずは辞書的な意味を確認しましょう。
ディレクトリ(英:Directory)は、コンピュータのファイルシステムにおいて、ファイルをグループ化するための特殊なファイルで、整理・管理などの目的で活用される。ディレクトリの中にも、通常のファイルだけでなく入れ子的にディレクトリを作って、任意の階層を持たせて管理できることがほとんどである。
ファイルの入れ物(容器)などとも表現され、GUIでは文具のフォルダーのようなメタファーで表現されることが多い。ただし、物理的な容器であるのはHDDなどのメディアそのものであるので、ディレクトリは「ファイルへの見出しの入れ物」と表現する方が正確である。
ディレクトリは、英和辞典では「電話帳」などの意味を持つ英単語ですが、コンピュータ用語では意味が異なってきます。
上記のとおりディレクトリは、ファイルをグループ化するための特殊なファイルで、整理・管理などの目的で活用されるものです。
皆さんが使用しているパソコンの中には様々なデータが入っています。仮に宿題のプリントが引き出しの中に沢山ある状態やカバンの中に仕事の参考資料が粗雑に入れ込まれている状態を想像してみてください。これではどこに何があるか分かりませんし、欲しい情報を探し出すのに時間がかかってしまいます。
ディレクトリは、このような雑多な状態ではなく、ファイルを整理して整頓することができるのです。
ディレクトリとフォルダとの違い
ファイルを分類したり、整理したりするという内容でフォルダと何が違うのかと思いませんでしたか。それもそのはず、ディレクトリとフォルダはファイルを整理するという点において大きく違わないからです。
では、ディレクトリとフォルダは何が違うのでしょうか。その違いとして、CUIとGUIで呼び方が違います。正確には、もっと細かな部分で違いはあるのですが、ここでは呼び方が違う程度で覚えておきましょう。
ディレクトリの整理の形
ディレクトリを活用して整理を行った場合、いくつも枝分かれした木のような形となっていることが特徴です。
このような形のことをディレクトリの階層構造と呼びます。
ディレクトリの呼称
ディレクトリは上記の階層構造のどこにあるのかやその特徴によって呼称が違います。それぞれの違いを確認しましょう。
◇ルートディレクトリ(root directory)
ルートディレクトリは、階層構造の最上位にあるディレクトリの呼称です。上の図の中で「root」と書かれたディレクトリがルートディレクトリに該当します。分かりやすくいうと「ディレクトリの大元」です。
このルートディレクトリを始まりとして、分岐した先(下位)に様々なディレクトリが存在しています。このディレクトリの上にディレクトリは存在しません。
◇カレントディレクトリ(current directory)
カレントディレクトリは、自分が今どこのディレクトリで作業をしているのかを示す呼称です。分かりやすくいうと「現在地」です。
例えば、「home」ディレクトリから「user1」へ移動した場合、自分がいる場所は「user1」です。この場合の「user1」がカレントディレクトリ(現在地)となります。(上の図を参照)
◇ホームディレクトリ(home directory)
ホームディレクトリは、自分がログインした時の起点となる場所のことです。分かりやすくいうと「自分のためのディレクトリ」です。ログインをしたら必ずこのディレクトリから動き出すことになります。
基本的には、自分のデータをここに置いて、ほかの人のデータを置くことはありません。ただし、管理者などの例外があるため、あくまで基本的にはという内容です。
◇サブディレクトリ(subdirectory)
サブディレクトリは、ディレクトリの中にある別のディレクトリのことです。
例えば、「user1」は「home」のサブディレクトリです。このようにディレクトリの中にあるディレクトリのことをサブディレクトリと呼びます。子ディレクトリと呼ばれることもあります。
それでは今日はこの辺で。